ハリ結び強度対決の趣旨
「また切られた!!」やっとの思いで魚がかかったのに魚に逃げられた。あなたはこんな経験ありませんか?
釣った魚が浮いてきて、タモ網を持とうとした瞬間「ブチッ」これほどくやしいことはありません。切れたところを見るとハリの結び目やサルカンの結び目、特に多いのはハリがスッポ抜ける。(最後の締め込みが甘いために起こる)
くっそー
もうちょっとだったのに~
- こんな悔しい思いをなるべく減らしたい。
- アタった魚はすべて取り込みたい。
こんな考えで「どのハリの結びが強いのか?」を知りたいと思ったからです。
今回の針むすびの強度試験の他にもルアーに結ぶ強度試験(サルカンに結んで実験)もしているのでそちらもぜひ確認してみてくださいね。
ハリ結びの実験器具の説明
市販で売られている「プッシュプルゲージ」を買うのはもったいないので、会社で使っていなかった物を借りて、それを少し改造して、ハリ結びの強さを測定しました。(借りただけで、返しましたよ!)
「プッシュプルゲージ」とは引っ張り強さと押さえ強さを測定できるものでアナログのハリがMAXの位置で停止するようにできている。デジタル表示のものもあるが価格が倍以上する。定価は5万円ととても高価だ!
ハンドルを左回転させるとチチワ結びをひっかけるボルトが左に移動し、、結んだラインを引っ張り、最後は切断した値を測定値とした。
ハリ結びの実験道具
使用したラインや道具は
- ジュニアシーガー 1.5号(値段が安かったため)
- チヌバリ2号
- サルカン(器具と結びの実験で使用)
- ハリを最後に引っ張って強く締め込む専用器具(名前は分からない)
ハリ結びの実験方法
上手のようにハリにラインを結び、端面はチチワ結びにする。ハリからチチワ結びまでの距離はほぼ同じにし、すべて同条件で測定しました。
もしハリ結びよりもチチワ結びの方が早く切れるようであればチチワ結びをビミニツイストに変更します。
ハリ結びの実験結果
内掛け結び、外掛け結びは左の写真のようにほどけながら切れることが多く、漁師結び、変形型内掛けクロス結びは右の写真のようにハリに結びが残って切れていた。
ハリ結び名 | 漁師結び | 変形型内掛け クロス結び | 外掛け結び | 内掛け結び |
---|---|---|---|---|
ランキング | ||||
1回目 (Kg) | 2.05 | 1.80 | 1.92 | 1.78 |
2回目 (Kg) | 2.10 | 1.78 | 1.72 | 1.78 |
3回目 (Kg) | 2.12 | 1.68 | 1.68 | 1.36 |
4回目 (Kg) | 2.19 | 1.82 | 1.88 | 2.15 |
5回目 (Kg) | 2.15 | 1.94 | 1.75 | 1.54 |
アベレージ (Kg) | 2.12 | 1.80 | 1.79 | 1.72 |
漁師結びはとても強い。しかも結びが簡単で安定している。信頼のおける結びですね。漁師さんが使っているのだから、魚の食いは影響がないとは思いますが、あまりキレイな結びではないですね。
漁師結びはガン玉をハリに打った状態でも結べるので、落とし込み釣りには向いていますよ。
ぜひ覚えておきましょうね。
ハリ結びについて考察
【外掛け結び】
外掛け結びは輪を作り、最後に端糸を通します。
本線が引っ張られると輪に集中して力が掛かるので、最終的に輪に通した糸が切れます。
しかもハリスが太くなるとチモト部分には力が掛かりにくいのですっぽ抜けやすいのです。
外掛け結びはあまり強くないので、できるだけ使わないようにしたほうが良さそうですね。
【内掛け結び】
本線側が強く引っ張られると全体が本線を締め付けるので本線が変形しやすく切れやすいのでないか?
【変形型内掛けクロス結び】
締め付け時に本線を引っ張らずに余分な線を引っ張る。
外掛け結びや内掛け結びのように本線がチリチリになりにくいので強度は安定しています。
ひばり結びでハリを結んでからハリのふところ側から輪を作って結ぶだけである。
本線側が引っ張られても集中負荷が掛かりにくい結びなので強い。
本当に強い結びなのですが、ハリと結びが平行でないので、少し不細工なのが難点です。
【まとめ】
- 本線を引っ張った時に集中負荷がかかりにくい結びが強い。
- 本線、余分線を引く前にたっぷり唾液で全体を湿らせると 結節強度は安定する。
- 漁師結びは簡単で結節強度は安定していて最高に強い。