チヌの落とし込みをマスターするのに必要なのは、やっぱりその釣行日のチヌのタナとアタリの出方を見極めることです。
チヌのタナとアタリの出方は前日、前々日の天候もしくは釣行日当日の天候の影響を受けます。
どんな天候のときにどんなタナを狙えばいいのかがチヌの落とし込みをする上で大切なデータになります。
釣行時のデーターをメモをしておくと次回のチヌ釣りに役に立つのでメモを取っておく習慣をつけておきましょう。
釣り当日の天候
釣り当日は天気がよく、海が穏やかな方がチヌ釣りはやりやすい。
しかし、天気の良い日が、チヌにとってベストな条件とは限りません。
チヌは海が少し荒れ気味で天気も曇りや少し雨のほうがよく釣れるほうが多いです。
濁りがない方が釣れる魚として有名なのは「シロギス」です。
また、釣り当日から天気が下り坂になり、釣り当日に少しの雨、もしくは数日後に雨が振りそうな時のほうがチヌの活性がよくなります。
逆に数日前から雨が振り、当日は天気が良かった日は、数日間の雨で水温が極端に落ちて、チヌやその他の魚の生命反応がない時さえあります。
天気が悪い日は人間は帰りたくなりますが、チヌには活性が良くなり、人間にとってやる気のある天気の時はチヌの活性が落ちる。実に興味深い話ですね。
風向きと波
人間は風のない日に釣りに行きたいものですが、僕の経験上から風のない日はチヌの活性が悪くなります。
堤防なでの風の当たる側は風により、波ができ、その波によって堤防側に微生物が流されてきます。
しかも、風で海底の砂などを巻き上げるため濁りが入ります。
そのため、向かい風の堤防側がチヌ釣れることが多くなります。
向かい風側がベストと言っても、程度が問題になってきます。
強すぎる向かい風はアタリが取りづらくなりますし、波をかぶってしまうことのあります。
落とし込みのエサを落とすのさえも一苦労になります。
こんな時は風裏や漁港内でチヌが釣れることがありますよ。
濁り
濁りには河川から流入してくる濁りと波によって海底の土砂が巻き上げられる濁りがあります。
どちらにしても濁りが強すぎれば、鳥などの外敵からは見えない代わりにエサを見つけるのが悪くなります。
逆ににごりがなく澄み切っていれば、エサは発見しやすい反面外敵からは発見されやすくなりますね。
チヌにとっては濁りが強すぎても、澄み過ぎても良い条件とはいえないですね。
外敵に発見されにくい適度な濁りがチヌの好条件と言えるでしょう。
こんな好条件の時に釣りができればチヌの爆釣できそうですね。
水温
水温は高すぎても、低すぎても良くありません。
魚は海水温の影響をもろに受ける変温動物なので、最適な温度よりも低すぎても高すぎてもチヌの活動は鈍くなります。
「メバル」「カサゴ」「アイナメ」は適水温の範囲が広いので、一年中釣れる魚です。
クロダイ(チヌ)は冬の低水温になると水温の安定する深場に移動し、動かなくなるのでとても釣りにくくなります。
潮流
釣り場によっても変わってくるのですが、多くの場所では干潮から満潮になるまでの時間がチヌの食いが良くなると思います。
場所によっては、満潮から干潮に向かうときに釣果が良くなることもあります。
これは干潮、満潮によりどちらの方向に潮が流れるかによって変わってくるのです。
これは磯釣りでは顕著に現れます。
堤防のチヌの落とし込み釣りでは、少しでも潮が流れていれば釣りやすく、釣れることが多いような気がします。
チヌの落とし込みの釣り方
- あなたが設定するポイントまでのイトを出す。(タナねらいであれば2ヒロぐらい、底狙いであればそこまで)
- 竿を堤壁と平行にして、ヘチ際にエサを沈める。
このときにエサを進めたい方向と反対側にサシエを引っ張らないようにサッと払う。この時目印は海面に浮かべません。ハリスと1個目の目印に張りが出た時に目印を海面に並べるように払います。(すべて目印を海面に浮かせないこと) - エサの落下速度に合わせて、竿先を下げながら目印を海面に浮かせる。
- さらに竿先を下げ、腕を下向きに伸ばして落とし込む。
- 狙うタナに近づいたら、さらに神経を集中して、落とし込む。
- 狙うタナまで落としたら、2~3秒待って聞きアワセ。
チヌの狙うタナは通常2mぐらい、深くても3mである。仕掛け投入前に、狙うタナまで届くイトを出しておきます。
堤防際ギリギリに落とすのが理想だが、ギリギリすぎるとイガイの層などにハリスやハリが引っ掛かって、ハリスに傷がついたり、ハリが引っ掛かったりするので、堤壁から20cm離した位置に仕掛けを落とし込みます。
特に潮が澄んでいるときは、水面を覗き込むように落とすと人影に警戒して、チヌが逃げてしまうので堤壁より下がった位置に立つことを心がけよう。
イトが水面に入るのが確認できるギリギリの位置まで下がるのがチヌの落とし込み釣りの基本である。
また、堤防際付近は以外と潮の動きがあり、その流れに仕掛けが乗ると堤壁に近づくように落ちるので見かけよりも壁際に落ちていきます。
チヌのタナねらいの落とし込みの釣り方
タナ狙いでは、水面1mのところに魚がいることを想定して、ツケエサを静かに落とします。落とすとすぐに落としたい方向と反対側に付けエサが動かないように仕掛けを払いましょう。
ハリスがなじみ1個目の目印とハリスに張りが出たら、ここで初めて目印を海面に置きます。あとはエサの落下速度に合わせて、目印を海面に並べていきます。
やってみればわかるが、目印はすべて海面に並べると、サシエが水の抵抗で思ったようにサシエが沈んでいかないときがあります。
だから、目印は海面に1個だけ浮かべるのがいいと思います。多く並べると、それだけイトフケができているので、アタリがあった時の対応が遅れることになります。
理想を言えば、エサの落下速度より少し速い速度で竿先を下げていき、海面に1個浮かべて、仕掛け全体に張りを持たせる。
そうすることでハリスにしか出なかったチヌのアタリが、目印に出るようになります。知らない間にエサがつぶされていたり、イガイが割られていたりとかが減るはずです。
【底の取り方とチヌの底狙いの誘い】
- 投入前にそこに届くまでの糸を出しておくこと。落とし込みの途中
- エサが底に着いた時ののイトフケの状態でイトの出す量を調整すること。
- 30~40cmほど聞き上げて、アタリがないときはもう一度落とす。
- 少しイトフケができた時が底に着いた状態
- 2~3秒待ってもう一度聞き上げ、チヌのアタリがなければ仕掛けを上げて移動。
チヌの底ねらいの釣り方(準備)
底狙いをするときは仕掛けを投入する前に底に届くまでの道糸を出しておくこと。
慣れるまではオモリが軽すぎると底がどこかわかりにくい。
だから、タナ狙いとは違ってガン玉は重いめの2B程度を使ってみよう。
少し重たくなるとわかりやすくなる。2Bで分かりにくければ3Bを使っても構わない。
底に届いたことの感覚が重要である。
底に届いたかどうかの確認はゆっくりとサシエサを落としていく。
ゆっくりとまっすぐに伸びていて道糸がフッとフケはじめる。
これが底に着いたサインである。これを「底取り」と呼ぶ。
サシエが底に着いたときに無理な体勢にならないように道糸の出を調整しよう。潮の流れが速かったり、風が強くてイトが大きくフケたりするときはガン玉を少しずつ増やして、沈み方を調整する。
使用するガン玉の重さは、なるべくつけないのが理想だが、あなたが底取りできる最小の重さにすることが基本である。
底取りができないと釣りにならない。通常は2B~3B。
風の強い日はもう少しオモリを追加し、無風の日はもっと減らしても
いいだろう。(私は無風の日は経験したことがない)
チヌの底ねらいでの落とし方
底取りができれば、チヌ釣りの開始である。タナ狙いと同じ要領で落とし込んでいきます。
目印が1つ海面に浮かべるようにしてエサの自然な落下速度に合わせて竿先を下げていき、底までエサを落としていく。
チヌのアタリがなければ仕掛けを上げ、少し移動してまた新しいポイントを探っていきます。これを繰り返すのが、落とし込み釣りの基本である。
基本的にはチヌのタナ釣りと変わらないのだが、底釣りで注意したのは底の形状が変化していたり、堤防のコチラの端と向こうの端では水深が異なっていたりすることがある。
だから時々確実にそこまでサシエが届いているか確認しながら釣る必要がある。
そうしないとチヌのストップアタリなどの微妙なあたりがわかりにくくなる。
周りにチヌがいるかもしれないのでゆっくりと仕掛け
を上げるようにしましょう。
チヌの落とし込みの浅い堤防での攻め方
「水深が浅く、底が見えそうなときはどうするの?」そんな場所は釣れるタナが底近くであることが多いが潮が濁っていれば、水面から1mのところで釣れることもある。
水深が浅くポイントではチヌの警戒心が強くなるので水面にウキ糸がなんとか見える位置まで下がって落とし込んでみよう。狙うタナはハリスが隠れるところから底までになる。なるべくチヌにプレッシャーを与えないようにするのが重要になります。
チヌの落とし込み釣りは仕掛けを入れてから底に着くまでの集中力とアタリがなくてと負けじと歩いて探っていく根気が釣果に結びつきます。
チヌの落とし込みのアタリのパターン
タナ狙いの場合
チヌ狙いでエサがフジツボ、カニ、イ貝を使用しているときの代表的なアタリは以下の3種類あります。
目印が通常よりも早く沈下
仕掛けを落とし込んでいく途中、いつものスピードよりも一瞬早く目印が底にに引っ張られた状態になります。
棒ウキ釣りで言うとエサを吸い込んだ時に出るツンアタリに似ています。
目印が一瞬止まる
落とし込みの途中で、目印が一瞬止まる。穂先は一定速度で下げていくので、仕掛け全体がたるむようになります。
このアタリが落とし込み釣りでよく出る基本のアタリ「ストップアタリ」である。このアタリを取ることはなかなか難しく、一度でも取ることができれば、感覚をつかめるようになります。
「あやしい!」と思ったアタリはすぐに合わせるようにすれば、早く上達できるようになるでしょう。
流れよりも早く目印が動く
流れている方向に目印が流れよりも早く動いたり、それ以外の方向にスッーと動くこともあります。
これはチヌがエサをくわえて横方向に動き出したときに出るアタリです。
チヌの底狙いの場合
【チヌの底狙いで重要なこと】
- 底にエサが届いたら2~3秒底でエサを止めてみる。
- アタリがなければ、ゆっくりとエサを持ち上げて、聞き上げてみます。
これはチヌのアタリではない!
落とし込んでいる途中で、いきなり竿先をグッとと引き込まれることがある。これはストップアタリを見逃したときに起こるもので、チヌに先手を取られている。チヌの大物であればバレることが多い。
しかし、対象魚がチヌの話であって、それ以外のカサゴやアイナメ、メバルはこんなアタリも多い。
仕掛けの上げる速度に注意!!
仕掛けを落とし終わって、聞き上げが合わった後、仕掛けをすごいスピードで抜き上げないようにしよう。
たとえチヌが釣れなくても、その付近にチヌがいたら、その抜き上げ音で逃げてしまいます。
チヌが釣れるかもしれないチャンスをみすみす逃がしてしまうことになります。
仕掛けはなるべくゆっくり上げるようにしましょう。
チヌの落とし込みのアワセのタイミング
「カニエサがつぶれている!」「イ貝がつぶされている」落とし込み釣りではよくあることであります。
なぜなら、一番やっかいなのが落とし込み釣りのアタリの見極めである。落とし込み釣りの場合、チヌのアタリがあったらすばやく合わせるのが基本になる。
「アレッ?これチヌのアタリかな」と思っても確信が持てなくアワセが遅れてしまい、掛け損なってしまうことが多ってことはないですか?
人より多くチヌを釣りたいと思うならば、確信が持てなくても、道糸や目印に変化があれば、即アワセを入れてみましょう。
アタリの見極めは多く経験するしかない。だからⅠ回1回の落とし込みの目印や糸フケに集中し、「誰よりも多く落とし込んでやろう」と意気込んで落とし込み釣りをすれば、すぐに見極めはできるようになります。
どんなアワセ方がいいの?
落とし込み釣りでは目印や糸フケでアタリを取るため、仕掛けのタルミはほとんどなく、竿を少し動かしただけでもその動きはハリに伝わります。
穂先が20cmも動けば十分なので大きくアワセる必要はありません。
大きい強いアワセはハリ先がクロダイの硬い歯に当たって確実にハリ掛かりしなかったり、スッポ抜けたりする。そのためやり取り中に外れたりしやすいです。
ソフトにアワセることで、ハリが硬い歯を通り越して柔らかい唇に掛かり、その後、魚の動きで確実にフッキングします。
ただしソフトにかけるといってもリールをフリーに近い状態でアワセをしても確実にフッキングできないので、アワセをするときはリールが回転しない様にしっかりと握らないといけません。
アワセ方はすばやくソフトに手首を返す程度で十分だ。そのアワセで穂先は20cmは動く。
落とし込み釣りは岸壁にエサを落とし込んでいくので、竿の下に仕掛けがある。他の釣りのように遠くに仕掛けがないので竿を必要以上に立てるとイトと竿の角度がなくなり、竿の弾力を生かせなくなる。
最悪、竿が破損してしまうこともあります。だから、竿と糸の角度をなるべく90°を保つように心がけましょう。
エサの種類によってアワセのタイミングは変わる!
落とし込み釣りのメインのエサとなるイ貝やカニ、フジツボのアワセのタイミングはアタリが来れば即アワセが基本となる。
これは硬いエサの場合、一気にエサを噛み砕き食べる習性がある。噛み砕いた直後、ハリなどの異物によって違和感があれば、クロダイはすぐに吐き出してしまう。だから吐き出すまでにアワセを入れなければならないのです。
イソメ類をエサにする場合は、アタリがあってもハリ先まで吸い込んでいないことがある。だからイソメ類をエサにする場合はアタリが少し穂先を送り込んでやり、その後の抑え込むようなアタリでアワセた方がハリ掛かりは良くなります。
チヌのアタリの合わせのコツまとめ
- 硬いエサの使用では即アワセ。
- イソメ類のアタリ最初のアタリでアワセず、次の穂先を押え込むアタリでアワセる。
- アワセはすばやくソフトに手首を返す。
- 竿と糸の角度は90度をキープする。
- フッキングが甘くならないようにスプールをしっかり握ってアワセる。